夜の9時。ようやくパソコンを閉じようとしたとき、ふと思うことはありませんか。
「今日、終わった仕事って何だっけ?」
朝から見積もりを作り、お客様に電話を返し、合間に案内文を書き、SNSも更新しました。
ずっと手を動かしていたのに、新しい商品の案内や、お客様を増やすための準備には、今日も手が回りませんでした。
人を雇う余裕はない。でも、このままでは体がもたない。
小さな会社の経営者や、ひとりで仕事を回している方なら、きっと覚えのある夜だと思います。
実は、私もつい最近まで同じでした。
AIを仕事の中心にしてから、もうすぐ2年になります。AIのおかげで、1つ1つの作業は速くなりました。
ところが、使うAIが増えるほど、頼んだ仕事がチャットのあちこちに散らばり、「どれから手をつければいいのか」が分からなくなっていたのです。
忙しさの中身が、作業から、仕事の整理に変わっただけでした。
ものづくりの仕事を40年続けてきた私でも、仕事の段取りに追われていたのです。
そこから抜け出せたのは、AIを「秘書」として、3つのステップで育てたからです。
ブログ記事1本を仕上げるまでで比べると、ステップごとに、自分がやる作業がこれだけ減りました(私の場合)。
| 自分がやっていた作業 | 1本仕上げるまで | |
|---|---|---|
| AIを使う前 | キーワードの確認、上位記事の調査、目次、本文、図解、Wordへの保存、見直しまで、全部自分で | 約2週間 |
| STEP1 頼む | 調査のまとめ、構成案、文章のたたき台、画像をChatGPTに手伝ってもらう | 数日 |
| STEP2 任せる | 調査から下書きの保存までAIに任せ、自分は体験を足して、確かめて直す | 1日 |
そしてSTEP3では、窓口のAI秘書が仕事を振り分けてくれるようになり、ある1日には、ブログ記事を含む10件の仕事が並行で進みました。
任せるのは作業です。決めるのは、あなたです。だから、安心して任せられます。
AIの進化は、いまや1週間単位です。使いこなす人と、そうでない人の差は、これからもっと開いていきます。
気づいたときには、置いていかれているかもしれません。
この記事では、AIを使ったことがない方でも、今日から1つ目のステップに踏み出せるように、3つのステップを順番にお伝えします。
この記事を読むと、こうなれます
- AI秘書に何を任せられるのか、自分がいまどのステップにいるのかが分かる
- ChatGPTに話しかけるだけで、案内文を1本仕上げられる
- 仕事を丸ごと任せられるAIを迎えて、夜に頼み、朝に確認できる
- 毎週くり返す作業を「スキル」にして、一言で自動で進められる
- 複数のAIに仕事を振り分けて、自分は確かめて決めるだけの働き方が見えてくる
3つのステップで毎日がどう変わるのか、まずは4コマで見てください。

では、一緒に進んでいきましょう。
1. AI秘書とは|頼む・任せる・確認するだけ、3つのステップで仕事はこう変わる
育て方には3つのステップがあります。
ステップが上がるほど、あなたの仕事は「頼む」から「確認するだけ」に変わっていきます。
下の絵の階段のようなイメージです。

1-1 AI秘書に任せられる仕事|予定・メール・タスク・資料づくり
人の秘書に頼んでいた仕事の多くは、いまAIに任せられます。
ポイント
- 予定:打ち合わせの候補日を整理する、その日の予定をまとめる
- メール:返事の下書きを作る、急ぎのものを先に教える
- タスク:やることを並べて、どれから手をつけるかの案を出す
- 資料づくり:案内文、提案書、議事録、報告書のたたき台を作る
- 調べもの:同業の会社やお店を調べて、表にまとめる
たとえば、提案の前の市場調査。私の場合、以前は同業他社のサイトを1社ずつ開いて表にまとめるまで、約2週間かかっていました。
AIに調べてもらうようになって、2日で終わるようになりました。
一方で、AIに任せてはいけないこともあります。
ポイント
- 何を作るか、どちらを選ぶかを決めること
- お客様に送る、お金を払う、公開する、といった最後のボタンを押すこと
- 日付や金額、名前が正しいかを確かめること
決めるのは人。作るのはAI。確かめるのは、また人。
AIは、もっともらしい言葉で間違えることがあります。
OpenAIも、新しいAI秘書の機能「dots」の案内で、「重要な結果につながる作業は必ず確認してください」と書いています。
3つのステップの早見表
| ステップ | AIがやること | あなたがやること |
|---|---|---|
| STEP1 頼む(ChatGPTなど) | 頼まれた文章を作る、質問に答える | 毎回頼んで、できた文をコピーして使う |
| STEP2 任せる(Claude Code・Codex) | パソコンの中で手を動かし、ファイルを作って保存する | 仕事を渡して、できあがりを確かめる |
| STEP3 確認するだけ(dotsなど) | 仕事を振り分け、進み具合を見張る | 方向を決めて、確かめて、決める |
STEP1から順番に進めば大丈夫です。いまから始めても、十分に間に合います。
1-2 アプリを契約するか、自分で作るか|ChatGPT・Claude・Geminiの違い
AI秘書には、2つの持ち方があります。
専用のアプリを契約する方法と、いま使えるAIを自分の秘書に育てる方法です。
専用のアプリは、電話の受付や予定の調整など、決まった仕事をすぐに始められるのが良いところです。
ただ、自分の仕事のやり方に合わせて、細かく変えるのは苦手です。
自分で育てる方法は、最初に少し手間がかかります。
そのかわり、自分の言葉や仕事のやり方を覚えさせて、任せる範囲を少しずつ広げられます。
この記事では、こちらの作り方を紹介します。
育てる元になるAIは、主に3つです。
| AI | 会社 | 向いていること |
|---|---|---|
| ChatGPT | OpenAI | 何でも相談しやすい。画像づくりも得意。仕事を任せられる「Codex」もある |
| Claude | Anthropic | 長い文章や資料づくりが得意。仕事を任せられる「Claude Code」がある |
| Gemini | GmailやGoogleカレンダーなど、Googleのサービスと組み合わせやすい |
どれから始めても大丈夫です。この記事では、いちばん始めやすいChatGPTから入ります。
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あなたも、今日やってみましょう
- 1-1の「任せられる仕事」の中から、自分が毎週くり返している仕事を1つ選ぶ
- その仕事に、いまどれくらい時間がかかっているかをメモしておく(あとで比べるためです)
私は、毎週の発信の準備と、お客様への提案書づくりを最初に選びました。
ヤスとビルドくんの会話
2. STEP1【頼む】ChatGPTを秘書にする|話しかけるだけで、案内文が1本仕上がる
| Before | After | |
|---|---|---|
| 書き出し | 白い画面の前で、何から書くか考える | 「誰に」「何を」「どのくらいの長さで」を伝えて送る |
| 文章づくり | あいさつ、日時、申し込み方法を一から書く | 下書きが届く(私が試したときは約20秒) |
| あなたの仕事 | 書いて、見直して、また書き直す | 空欄を埋めて、事実を確かめて、直す |
2-1 頼む・短く直す・事実を確かめる|3つの手順
ChatGPTを秘書にするコツは、1回で完璧な文を求めないことです。
まず下書きを頼む。気になるところを直してもらう。最後に、日付や料金などの事実を自分で確かめる。この3つの手順で、最初の仕事が1本終わります。
step
1頼む|「誰に」「何を」「どのくらいの長さで」を書いて送る
ChatGPT(https://chatgpt.com/)を開くと、画面の真ん中に入力欄があります。
ログインしなくても使えます。

入力欄に、次の指示文をそのまま貼ってください。【 】の部分だけ、自分の内容に変えれば大丈夫です。
貼ったら、右下の送信ボタンを押します。

日にちや費用を【 】で空けておくのは、AIが数字を勝手に作らないようにするためです。
実際に送ると、こんな答えが返ってきました。
日にちや費用は【 】のまま残っていて、数字を勝手に作ることはありませんでした。

step
2短く直す|気になるところを、そのまま伝える
返ってきた文が長かったり、硬かったりしたら、同じ画面の入力欄に続けて送ります。
送ると、短い文と箇条書きの形に直りました。

step
3事実を確かめる|日付・料金・時間・評価は公式の情報で
いちばん大事なのは、ここです。AIは、それらしい言葉で間違えることがあります。
評判を大きくふくらませた言い方をすることもあります。
確かめるのは、この4つです。
| 確かめること | どこで確かめるか | 見るところ |
|---|---|---|
| 日付 | 自分の予定・相手との約束 | 曜日が合っているか |
| 料金 | 施設やお店の公式サイト | 入館料・昼食代 |
| 時間 | 施設の公式サイト | 開館・閉館の時間 |
| 評価 | 施設の公式サイトに書かれた言葉 | 「日本一」を「世界一」に変えていないか |
たとえば、この美術館の庭園は、アメリカの日本庭園専門誌のランキングで、23年連続日本一に選ばれています(美術館の公式サイトより)。
案内文には、この条件ごと、このままの言葉で使います。
あなたも、今日やってみましょう
- ChatGPTを開く
- 上の指示文の【 】を、今週出すお知らせに書きかえて送る
- 返ってきた文の【 】と【要確認】に、決まった情報(日にち・集合場所・申し込み先など)を入れる
- 日付・料金・時間・評価を公式の情報で確かめて、配る文書に貼る
これで、最初の1本が仕上がります。
この手順を、AIをほとんど使ったことがない経営者の方に、カフェでお見せしたことがあります。
日本一の庭園がある美術館への日帰りツアーを企画していて、会員さんに配る案内文が必要でした。
その場でChatGPTに頼むと、20秒ほどで、あいさつから申し込み方法まで入った案内文ができあがりました。追加の質問にも、すぐに答えていきます。
画面をのぞきこんでいたその方が、ひと言。
「これは、秘書のようだね」

AI秘書の第一歩は、この驚きから始まります。
私は、勉強会の案内やお客様へのお知らせなど、毎週の文章の下書きを、まずChatGPTに頼むところから始めました。
ブログ記事も、調査のまとめや構成案、たたき台をチャットに手伝ってもらうだけで、2週間かかっていたものが数日になりました。
2-2 入れてはいけない情報と、無料でできる範囲
ChatGPTは無料で始められます。
OpenAIのヘルプでは、無料版でも、ふだんの文章のやりとりは回数の制限なく使えると案内されています(画像づくりなどには、別に上限があります)。
ただし、入れてはいけない情報があります。
AIに入れてはいけない情報
- パスワードや、カードの番号
- お客様の名前、住所、電話番号
- まだ外に出していない会社の数字や、契約の中身
迷ったときは、「お客様A」「〇〇社」のように置き換えてから入れます。
ネットでは「GPTs(ジーピーティーズ)で自分専用の秘書を作る」という方法も見かけます。
まずは、ふだんのチャットで頼むところから始めましょう。
ヤスとビルドくんの会話
3. STEP2【任せる】仕事を丸ごと任せられるAIを1人迎える|Claude CodeかCodexで
| 仕事(私の場合) | Before | After |
|---|---|---|
| ブログ記事1本 | 調査、目次、本文、図解、保存、見直しを全部自分で。約2週間 | 夜に頼むと朝には下書きが届き、私が直して仕上げる。1日 |
| 提案書 | 3日かけて書いていた | 初稿が2時間でできる。そこから磨き込む |
| LINE公式アカウント | 構想・設計に約1か月、構築に約1.5か月 | 同業13社の調査から設定まで、2週間で形に |
ChatGPTの「教えてくれるAI」と、この章の「やってくれるAI」の違いは、下の絵のとおりです。

3-1 「教えてくれるAI」と「やってくれるAI社員」の違い|決まった時刻に自動で動かす
ChatGPTのチャットは、とても賢い相談相手です。ただ、答えを受け取ったあとに手を動かすのは、自分です。
Claude CodeやCodexは、パソコンの中で実際に手を動かしてくれるAIです。
こうしたAIを「AIエージェント」と呼びます。
この記事では分かりやすく、仕事を任せられるAIを「AI社員」と呼びます。
| 教えてくれるAI(チャット) | やってくれるAI社員(Claude Code・Codex) | |
|---|---|---|
| やりとり | 質問 → 答え | 依頼 → 作業 → 報告 |
| できあがり | 画面の中の文章 | パソコンに保存されたファイル |
| 覚えておく方法 | 会話ごとに説明し直すことが多い | 決まりごとのファイルを読ませて、毎回の説明を減らせる |
| 向いている仕事 | 考える、言い換える、アイデアを出す | 調べる、作る、保存する、確かめる |
AI社員には、決まった時刻に仕事を始めてもらうこともできます。
夜に頼んでおけば、朝には確認待ちのファイルが置いてある、という働き方ができるのです。
始めるときに必要なもの
- Claude Code:Claudeの有料プラン(ProまたはMax)で使えます
- Codex:ChatGPTの無料版とGoでも、少ない量なら試せます。たくさん任せるなら、有料プランが向いています
どちらか1つで大丈夫です。
すでにChatGPTに課金しているならCodex、Claudeに課金しているならClaude Codeが始めやすいです。
入れ方は、別の記事で手順ごとに説明しています。
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最初に任せる仕事の頼み方|4つを伝える
AI社員には、4つのことを伝えます。目的、材料、守ってほしいこと、できあがりの形です。
最後の「送信はせず、私の確認を待ってください」が大切です。作るのはAI、決めるのは自分です。
私の場合は、毎晩、翌朝に出す発信の準備をAIに頼んでいます。
朝の仕事は、届いたファイルを読んで直し、出すかどうかを決めることです。
3-2 AIの頭脳をつくる|毎朝ニュースを集めて知識庫に貯め、発信に使う
AI社員を育てる鍵は、AIが毎回読む「頭脳」を用意しておくことです。頭脳には、大きく2つあります。
1つめ:決まりごと|直したら1行足す
AIが作った文章を直したら、その場で、決まりごとのファイルに、直した理由を1行足します。
ファイルは、仕事用のフォルダに置いておきます。Claude Codeは「CLAUDE.md」、Codexは「AGENTS.md」という名前のファイルを、仕事を始める前に読む仕組みになっています。別の名前で作ったときは、頼むときに「このファイルを読んでから書いてください」とひと言添えます。
直すほど、AIの文章があなたの言葉に近づき、同じ直しを何度も伝える手間が減っていきます。
私の場合は、「『素晴らしい』ではなく『すごいなと思いました』と書く」のように、直されたことを1行ずつ足しています。
2つめ:知識庫|集めた情報を1か所に貯めておく
もう1つは、AIが読み込む情報の置き場所です。
業界のニュースや、お客様ごとの記録、過去の議事録などを1か所に貯めておくと、AIはそれをもとに考えてくれます。
置き場所は、Obsidian(オブシディアン)やNotion、GoogleのNotebookLMなど、ノートのように使えるアプリが向いています。
大事なのは道具ではなく、AIが毎回読む場所を1つに決めておくことです。
下の絵のように、「集める→貯める→使う」を毎日まわします。

私の場合は、Obsidianを「ヤスの知識庫」と名づけて、こう回しています。
流れ
- 毎朝:AIが、海外のAIニュース、YouTube、Xなどを見て回り、話題になっていることを知識庫にメモする
- 毎晩:その知識をもとに、翌朝に出す発信の一式(その日の記事、Xの文の案、ショート動画の台本)をAIが作っておく
- 朝:私は、届いたものを確かめて、直して、出す
この記事も、知識庫にためたニュースや、note・動画の情報を読み込んで組み立てています。
3-3 繰り返しの作業は「スキル」にする|一言で、いつもの手順が自動で動く
毎週の報告書、毎月の請求書の整理、ブログ記事。同じ手順の仕事を、そのたびにAIへ一から説明していませんか。
くり返す仕事は、手順書にして、AIに覚えさせておけます。この手順書を「スキル」と呼びます。Claude CodeにもCodexにも、スキルの仕組みがあります。
スキルにしておけば、「いつもの報告書を作って」の一言で、決まった手順どおりにAIが動き出します。
| Before | After | |
|---|---|---|
| 頼み方 | 毎回、手順・確かめること・保存場所を一から説明する | 「〇〇のスキルで」と一言 |
| できあがり | 説明の抜けによって、仕上がりがばらつく | いつも同じ手順・同じ形で仕上がる |
| 直したこと | 次の回には、また伝え直す | スキルに書き足せば、次からずっと反映される |
スキルの作り方
- 一度、その仕事をAIと一緒に最後までやる
- 終わったら、「いまの仕事の手順を、次からも使えるスキルにまとめてください」と頼む
- できたスキルを読んで、抜けている手順や確かめることを足す
繰り返しの説明がなくなるのは、思っている以上にうれしいものです。頭の中にあった「いつものやり方」が、AIの手順書として残るからです。
私の場合は、ブログ記事の8つの工程、毎朝の朝会、毎晩の発信の準備、AIニュースの巡回を、それぞれスキルにしています。「AI秘書の記事を書いて」と頼むと、キーワードの調査から、いつもの順番で進めてくれます。
最初から何でもさせない
ひとつ、気をつけたいことがあります。
AI社員に、最初から何でもさせようとすると、かえって使いにくくなります。
機能を次々に足していったら、肝心の予定やタスクの管理が使いにくくなり、機能を絞り直した、という体験談もあります。
まずは、いちばん時間がかかっている仕事を1つだけ任せる。慣れたら、少しずつ広げる。
この順番がいちばんの近道です。
あなたも、今日やってみましょう
- Claude CodeかCodexのどちらかを入れる
- 第1章でメモした「毎週くり返している仕事」を、4つを伝える指示文で頼む
- できあがったファイルを確かめて、直したことを決まりごとのファイルに1行足す
- うまくいったら、「この仕事の手順をスキルにまとめてください」と頼む
ヤスとビルドくんの会話
4. STEP3【確認するだけ】窓口のAI秘書が複数のAIに仕事を振り分ける|自分は確かめて決めるだけ
| Before | After | |
|---|---|---|
| 朝 | チャットを1つずつ開いて、どこまで進んだかを思い出す | 窓口のAI秘書が、今日やることを並べてくれる |
| 振り分け | どのAIに何を頼んだか、自分で覚えておく | AI秘書と相談して、仕事ごとに振り分ける |
| 進む仕事 | 目の前の数件で手いっぱい。気になる仕事は後回し | ある1日には、10件の仕事が並行で進んだ(私の場合) |
窓口のAI秘書が、ほかのAIに仕事を振り分ける形は、下の絵のようになります。

4-1 窓口のAI秘書に情報を集め、朝会で振り分ける
窓口のAI秘書の役目は、3つです。
ポイント
- 並べる:その日にやることを全部並べて、どれから手をつけるかを一緒に考える
- 振り分ける:仕事の中身に合わせて、どのAIに頼むかを決める
- 見張る:進み具合を追いかけて、止まっている仕事や、確認が必要なものを知らせる
この窓口の役目を持たせやすいのが、ChatGPTの新しい機能「dots(ドッツ)」です。
dotsは、9月29日にOpenAIが発表した、ChatGPTの中で働き続けるAI秘書です。
画面を閉じても、専用のパソコンとブラウザで仕事を進め、必要なときにこちらに声をかけてきます。
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dotsがなくても、考え方は同じです。
Claude CodeやCodexでも、やることの一覧と記録の置き場所を1つにまとめておけば、窓口の役目を少しずつ持たせられます。
私の場合は、dotsに、いつもの「ビルドくん」という名前をつけて、窓口を任せています。
最初の設定にかかったのは、約1時間です。
私の1日の流れ
- 朝会:その日にやることを全部ビルドくんに並べてもらい、どのAIに振り分けるかを相談する
- 予定:その日の予定は、ビルドくんがカレンダーに書き写してくれる
- 振り分け:手順が決まっている仕事はClaude Code、重い作業はCodex、相談や進み具合の見張りはビルドくん
- 確認:できあがったものを私が見て、直して、決める
実際のdotsの画面です。つながっているパソコンと、任せた仕事の進み具合が、ひと目で分かります。

ある1日に、並行して進んだ仕事はこれだけあります。
ポイント
- ブログ記事
- LINE公式アカウントの特典
- 勉強会の資料
- お客様のホームページの更新
- お客様のネットショップの提案書
- 地域の経営者の会のSNS発信用の動画
- 自分のサービスの紹介動画(制作中)
- Kindle本(取りかかったところ)
- AIニュースの整理と、知識庫への保存
- その日の予定の、カレンダーへの書き写し
気になっていたのに手をつけられなかった仕事も、並行で進むようになりました。終わる仕事の数が増えたのです。
あなたも、やってみましょう
- いま抱えている仕事を、「仕事名・締め切り・いまの状況」の3つで箇条書きにして、AIに渡す
- 「この一覧から、今日進める仕事と、どのAIに頼むかの案を出してください」と頼み、自分で決める
- 別のAIで進めた仕事は、その結果を一覧に書き足す。毎朝、この一覧の進み具合をまとめてもらう
4-2 正直にお伝えします|上限・費用・確認の舵取り
正直に書いておきます。ボタンひとつで、全部が終わるわけではありません。
AIの数が増えるほど、舵取りが大切になります。
1. 使える量には上限がある
AIのプランには、1週間などで使える量に上限があります。重い仕事を1つのAIに集めると、すぐに上限に届きます。
私の場合、仕事をCodexに振りすぎて、月100ドルのプランなのに、1週間の上限まで残り10%になったことがあります。
そのあいだ、Codexには新しい仕事を渡せませんでした。
dotsとの会話そのものは、ChatGPTの利用上限に数えられません。
ただ、dotsからCodexに頼んだ作業は、いつもどおり数えられます(OpenAIの案内)。
2. 任せる量が増えると、費用も上がる
dotsが使えるのは、ChatGPTのProプランやBusiness Premiumなどです(2026年10月時点)。
個人のPlusでは使えません。
任せる量が増えると、上のプランが気になってきます。ChatGPTのProプランは、月100ドル・200ドル・500ドルの3つです(OpenAIのヘルプ・2026年10月時点)。
3. 見張れない範囲がある
窓口のAI秘書でも、ほかのアプリの中までは見張れないことがあります。
たとえばdotsは、Claude Codeのチャットの進み具合までは管理できません。
任せた仕事は、記録を残して、つなぎ目を自分で見ておく必要があります。
4. 「できました」は、実物で確かめる
寝る前に、勉強会の資料と動画を頼んだ夜がありました。
ところが、夜中にパソコンが止まり、朝にもう一度頼み直しました。
AIの報告だけで安心せず、できあがったファイルを自分の目で見る。
OpenAIも、「dotも間違えることがあるため、重要な結果につながる作業は必ず確認してください」と案内しています。
任せ方のルールを先に決める
dotsでは、操作ごとに「任せてよい」「確認してから」「させない」を決められます。
送る・払う・消す・公開する、の4つは、自分が最後に押す。そう決めておくと、安心して任せられます。
その先にあるもの
AI秘書が仕事を回してくれるようになると、いつ、何をするかを、自分で決められるようになります。
私の場合、仕事をしている時間は、会社員のころより長いくらいです。それでも、毎日の過ごし方はまったく違います。
お昼は、妻とおいしいお店を探してランチに出かけます。カフェでパソコンを開いて仕事をし、隣では妻が本を読んでいます。
月に1回は、露天風呂付きの旅館に泊まります。
旅先でも、パソコン1台あれば、AIに指示して、確かめながら仕事を進められます。AIと一緒に仕事をするのが、楽しくて仕方がありません。
AIに振り回される側から、使いこなす側へ。その先にあったのは、いつ何をするかを自分で決められる働き方でした。
ヤスとビルドくんの会話
5. AI秘書づくりでよくある質問|「難しそう」「もう遅い?」「費用は?」
始める前に気になる、難しさ・費用・使えるAIなどの疑問に答えます。

Q. 難しそうです。パソコンに詳しくないとできませんか?
A. STEP1は、話しかけるだけです。STEP2のClaude CodeやCodexも、日本語で頼めば動きます。
分からないことは、その場でAIに聞けば教えてくれます。
Q. いまから始めても、もう遅くないですか?
A. 遅くありません。AIは1週間単位で変わるので、いつ始めても、新しいことを覚えながら進むのは同じです。
早く触った人ほど、慣れるのも早くなります。
Q. 費用はどのくらいかかりますか?
A. ChatGPTは無料で始められます。Codexも、ChatGPTの無料版で少しなら試せます。
Claude Codeは、Claudeの有料プランからです。
本格的に任せるなら、月20ドルほどの有料プランが目安です。
dotsは、ChatGPTのProプランなどで使えます(2026年10月時点。料金は変わることがあります)。
Q. GeminiやClaudeでもできますか?
A. できます。STEP1の「頼む」は、ChatGPT・Claude・Geminiのどれでもできます。
この記事では、STEP2とSTEP3の具体的な手順を、Claude CodeとCodex、dotsで説明しています。
Q. 画面の操作が分からないときは、どうすればいいですか?
A. その画面をスクリーンショット(画面の写真)に撮って、AIにそのまま貼り付けて聞くのがいちばん早い方法です。
言葉で「右上の、青いボタンの横の…」と説明しなくても、AIが画面を見て、どこを押せばいいかを教えてくれます。エラーの表示が出たときも同じです。
やり方は、3つです。
流れ
- 画面を撮る(Windowsは「Windowsキー+Shift+S」、Macは「Shift+Command+4」)
- ChatGPTの入力欄に貼り付ける(Ctrl+V。入力欄の左の「+」からも入れられます)
- 「この画面で〇〇したいです。どこを押せばいいですか?」と送る

私も、初めて使うサイトの予約画面で迷ったとき、スマホのスクリーンショットを送って、押すボタンを教えてもらいました。
Q. 社員にも使わせていいですか?
A. まず自分が使ってみて、入れてはいけない情報のルールを決めてからにしましょう。
ルールを決めておけば、社員の方も安心して使えます。
まとめ|次の一歩
AI秘書は、3つのステップで育てます。
| ステップ | やること | 変わること |
|---|---|---|
| STEP1 頼む | ChatGPTに「誰に・何を・どのくらいの長さで」を伝えて、下書きを頼む | 白紙から書く時間が、確かめて直す時間に変わる |
| STEP2 任せる | Claude CodeかCodexに、目的・材料・守ってほしいこと・できあがりの形を伝えて、仕事を丸ごと任せる。直したことは決まりごとに足す | 夜に頼んで、朝に確かめる働き方になる |
| STEP3 確認するだけ | 窓口のAI秘書に、仕事を並べ、振り分け、見張ってもらう | 気になっていた仕事も並行で進み、自分は決めることに集中できる |
どのステップでも、変わらない決まりが1つあります。
決めるのは人。作るのはAI。確かめるのは、また人。
今日できることは、ひとつです。ChatGPTを開いて、今週出す案内文を1本、頼んでみてください。
白い画面の前で悩んでいた時間が、確かめて直すだけの時間に変わるはずです。
一緒に、一歩ずつ進んでいきましょう。
